ねえお父さん、となりの家はお母さんが1人なのに、どうしてうちは3人いるの?
1888年(明治21)東京(『時事新報』)
妾を囲う理由は、表向きは跡つぎでした。じゃあ、男の子を授かるにはどうセックスすればいいのか。1884年に出た『新撰造化機論』という本が、その答えを図入りで、大まじめに説いています。目次には、子どもができる仕組み、できない仕組みと並んで、子どもを好きなときに作る方法、作らない方法、そして男の子と女の子を思いどおりに産み分ける方法、という項目まであります。
産み分けのやり方は、こうです。
- 男の子がほしいなら: 奥さんの生理が終わって三日たってから、だいたい二か月のあいだ、ほどほどのペースでエッチを続ける。そのあとはきっぱりセックス断ち。奥さんのそばにも寄らない。
- 女の子がほしいなら: 生理のあと二、三日たってから一、二回だけヤって、そのあと一、二か月は絶対にしない。
本がいちばん本当らしいと言うのは、妊娠したあとのエッチで男か女かが決まる、という説です。ふだんはセックスが大好きだった奥さんが、妊娠したとたんに感じなくなった。そのあと夫婦がどうするかで、こう分かれるそうです。
- それでも旦那がおかまいなしに突き続けると: お腹の子が旦那の欲情に呼応して、男の子になる。
- 奥さんが旦那を拒むと: たいていは女の子になる。
ふだんから性欲の強いドスケベな女は女の子を、性欲の薄い女は男の子を産むのを見ればわかる、とまで言い切ります。
中出しのあと、どっち側で枕を抱くかで男女が決まる、という言い伝えもあったようです。こっちは昔からある古くさい説だ、と本はばっさり切り捨てています。
射精の回数にも注文がつきます。出しすぎるな。射精しすぎると精液が薄く水っぽくなって、強い子ができない。少なくとも四、五日はたっぷり溜めてから出せば、精液のパワーが強くて、生まれる子もめちゃくちゃ丈夫になる。生理中のセックスは禁止。そして、心も体も落ち着いているときに思いっきりハメれば、体にも悪くないし、気持ちよさも満点だ、と。
子どもがほしくない夫婦への指南もあります。生理が終わって十四日から十六日たってからセックスしろ。フランスの女は避妊がすごく上手で、自分のアソコに指を突っこんで卵を探し、つまみ出すのだ、とも書きます。ただし、これは決してやってはいけない、とも書いています。中出しされたあとすぐ、冷たい水でアソコを洗う方法も挙げています。
念のため書いておくと、ここにあるのは1884年の本の言い分で、今の医学の知識ではありません。マネしないでください。
いちばん驚くのは、産み分けの章の最後です。ある男に孕まされた女が、そのあと別の男と夫婦になると、生まれる子は本当の父親ではなく、あとの男に似る。本はこれを、実に不思議と言うほかない、と結んでいます。
出典 37件
- 岡田常三郎編『新撰造化機論』(1884)奥付、OCR の p.31 原文原文と機械で照合済み
明治十七年十月二日反刺御届
- 同上 目次、OCR の p.3 原文原文と機械で照合済み
懷妊の理
- 同上 原文原文と機械で照合済み
不妊の理
- 同上 原文原文と機械で照合済み
懷妊自由の理
- 同上 原文原文と機械で照合済み
避妊自由の理
- 同上 原文原文と機械で照合済み
男子女子を自由小得
- 同上「男児女子を自由に得るの理」、OCR の p.25 原文原文と機械で照合済み
男児を得んと欲
- 同上 原文原文と機械で照合済み
婦人の月経んん後後三日を経てより凡そ二ヶ月の間適
- 同上 原文原文と機械で照合済み
断然と交合を廢するが
- 同上 原文原文と機械で照合済み
婦人の傍またも寄ること
- 同上 原文原文と機械で照合済み
女子を得んにハ同じく
- 同上、OCR の p.26 原文原文と機械で照合済み
経後二三日を経てより一二度交合をあし
- 同上 原文原文と機械で照合済み
至ニヶ月の間決して交合ふすべり
- 同上、OCR の p.25 原文原文と機械で照合済み
懐妊せし後夫婦の
- 同上 原文原文と機械で照合済み
說最も信は近しとす
- 同上 原文原文と機械で照合済み
平生交合はいつも愉快を
- 同上 原文原文と機械で照合済み
懷妊の後頓
- 同上 原文原文と機械で照合済み
胎况その男子の情み感じて男児となり
- 同上 原文原文と機械で照合済み
交合を拒むときハ十中の
- 同上 原文原文と機械で照合済み
通例情の濃き、婦人ハ女児を產く
- 同上、OCR の p.24 原文原文と機械で照合済み
枕をだきそれバ
- 同上 原文原文と機械で照合済み
古来よりあれどこハ陳腐の說にして
- 同上「不妊の理」、OCR の p.20 原文原文と機械で照合済み
交合の度を過すべからず
- 同上 原文原文と機械で照合済み
五日間精液セ蓄て後為すときハその生力强くして
- 同上 原文原文と機械で照合済み
生兒もまた極めて強壮なるべし
- 同上 原文原文と機械で照合済み
殊に月經の間ハ
- 同上、OCR の p.21 原文原文と機械で照合済み
精神と身体の安寧あるとき
- 同上 原文原文と機械で照合済み
その歡樂もまた充分なり
- 同上「避妊自由の理」、OCR の p.22 原文原文と機械で照合済み
懐妊を欲せざるものハ月經止んで
- 同上 原文原文と機械で照合済み
十四日乃至十六日
- 同上、OCR の p.23 原文原文と機械で照合済み
佛國の婦人ハ
- 同上 原文原文と機械で照合済み
自ら指を2 2れ卵を捜して撮出し
- 同上 原文原文と機械で照合済み
决して為すべちらざる
- 同上、OCR の p.24 原文原文と機械で照合済み
冷水(白緑礬を加ふるも宜し)
- 同上 原文原文と機械で照合済み
交合の後直1さぎ水銭して
- 同上、OCR の p.26 原文原文と機械で照合済み
その後別の男子と配偶するときいその胎晃實の父ヨ似すして却て後の男子ま似る
- 同上 原文原文と機械で照合済み
實る不思儀といふも餘りあり